2025/01/16
明けましておめでとうございます。年始早々インフルエンザの猛威に襲われあれよあれよという間に1月も半ばに来てしまいました。
昨年10月にリリースされたAdobe Illustrator 2025(バージョン29.0)についてですが、約20年ぶりにテキストエンジンが刷新されましたね。
文字ボックスからの文字のはみ出しやエリア内文字の中央揃えのズレなど改善されているようです。地味に嬉しいなと思いつつ、旧バージョンのデータを使用する際の注意点などもあるようなので少しご紹介します。
エリア内文字の「中央揃え」設定時、従来は上下中央からやや下に配置されていましたが、Illustrator 2025では「仮想ボディの上基準の行送り」を選択すると、文字がテキストエリア内で正確に上下中央に配置されるよう改善されました。
フォントやテキストエリアのサイズによっては、メトリクスカーニングやオプティカルカーニングの影響で文字がテキストエリアを超えることがありました。Illustrator 2025では、すべての文字がテキストエリア内に収まるよう調整されています。
縦組みで垂直比率を100%以外に設定している場合、「アキを挿入」で加わるアキ量が変形前の文字サイズを基準としていました。Illustrator 2025では、変形後のサイズを基準とするよう変更され、より正確な文字間隔の調整が可能になりました。
新しいテキストエンジンの導入に伴い、以前のバージョンで作成されたファイルを開く際には注意が必要です。特に、テキストのレイアウトや改行位置が変わる可能性があります。Illustrator 2025で旧バージョンのファイルを開くと、以下のようなダイアログが表示されます。
Illustrator 2023(バージョン27.7)~2024のファイル
これらのファイルには「テキストレイアウト情報」が保存されており、開く際に「更新」「変更を確認」「キャンセル」の選択肢が表示されます。「変更を確認」を選択すると、「文字組み更新」パネルを使用して、新旧のレイアウトを比較しながら編集できます。
llustrator CS~2023(バージョン27.6)のファイル
これらのファイルには「テキストレイアウト情報」が含まれておらず、開くと「キャンセル」と「OK」の選択肢が表示されます。「OK」を選択すると、すべてのテキストが新しいテキストエンジンで更新され、レイアウトや改行位置が変わる可能性があります。以前の文字組みを保持したい場合は、Illustrator 2024でファイルを開き、「文字組み保存プラグイン」を使用して再保存することが推奨されます。
Illustrator 2025では、文字組みの変更点を確認できる「文字組み更新」パネルが新たに導入されました。この機能により、従来のテキストエンジンと新しいテキストエンジンによる文字組みの違いを視覚的に比較し、必要に応じてテキストを更新・編集することが可能です。これにより、過去のデータを安全かつ効率的に取り扱うことができます。
しかし上記注意点で記載した2023(バージョン27.6)以前のデータはこの機能は使えないようなので以下の準備をすると良いみたいです。
事前準備の重要性
新しいテキストエンジンの導入に備え、過去のIllustratorファイルを最新バージョンで再保存しておくことが推奨されています。特に、Illustrator 2023(バージョン27.7)以降で再保存すると、「テキストレイアウト情報」が含まれるため、Illustrator 2025で開く際に「文字組み更新」パネルを活用して変更点を確認できます。大量のファイルを一括で再保存するための「文字組み保存プラグイン」も提供されていますので、ぜひ活用してください。
普段から最新バージョンが出ても微妙な不具合とかがある印象がありすぐアップデートをしないのですが今回は気になり最新版にしました。新しいテキストエンジンは、文字組みの精度と効率を大幅に向上させる一方、旧バージョンのファイルを取り扱う際には注意が必要ですね。新機能「文字組み更新」パネルを活用しながら使ってみたいと思います。
(オオダマ)
引用元:Adobe Blog
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